―― キャリアに行き詰まりを感じたときの整理視点
なぜ「お悩み10選」を整理するのか
前の記事でお伝えした通り、
技術者の悩みは「人それぞれ」のようでいて、
実は、多くの人が“同じ場所”で立ち止まります。
それは、
能力が足りないからでも、
考え方が甘いからでもありません。
キャリアの構造上、立ち止まりやすい地点がある
ただ、それだけです。
ここでは、これまで私が向き合ってきた
中高年の技術系社員の方々の声をもとに、
特によく見られる悩みを10個を整理してみます。
中高年の技術系社員のお悩み10選
① このまま今の会社に居続けていいのか分からない
大きな不満はない。
けれど、将来を考えると不安だけが残る。
「動く理由」も「残る理由」も決めきれない状態。
② 技術は好きだが、この先も第一線でやっていける気がしない
新技術へのキャッチアップがしんどくなってきた。
若手の吸収力と比べて、焦りを感じる。
③ 管理職になることを求められているが、気持ちがついてこない
評価としてはありがたい。
しかし、人のマネジメントに本当にやりがいを感じられるのか、自信がない。
④ 役職や肩書きが変わり、居場所が分からなくなった
プレイヤーでもなく、決裁者でもない。
「自分は何を期待されているのか」が見えづらい。
⑤ 若手の成長を見ると、嬉しさと同時に焦りを感じる
頼られなくなってきた気がする。
教える立場に回った自分を、まだ受け容れきれられない。
⑥ 「この会社でしか通用しないのでは」と感じる瞬間がある
外の世界を考えたとき、
自分のスキルがどこまで評価されるのか分からない。
⑦ 成果は出してきたはずなのに、評価に納得できない
数字では測れない貢献が増え、
「何をもって評価されているのか」が見えにくくなってきた。
⑧ 定年後・再雇用後の姿が、具体的に描けない
まだ先の話のはずなのに、
考えないといけないことだけが増えていく。
⑨ 仕事は回せているが、やりがいを感じにくくなった
大きな失敗はない。
でも、心が動く瞬間が減っている。
⑩ 誰にも相談できないまま、考え続けている
そして気づけば、同じところを何度も行き来している
同僚にも、上司にも、家族にも話しづらい。
「自分で何とかすべきだ」と思ってしまう。
これらの悩みに、共通していること
ここまで読んで、
「いくつか当てはまる」と感じた方も多いのではないでしょうか。
これらは、個別の悩みに見えて、
実は「構造的に起きやすい悩み」です。
✔ これらは“特殊な悩み”ではないこと
✔ 多くの技術者が、同じような地点で立ち止まること
そして何より、
悩みがあるのは、
これまで真剣に仕事と向き合ってきた証拠だ
ということです。
「悩みを整理する」ことが、次の一歩になる
悩みを一人で抱え続けていると、
どうしても視野は狭くなります。
けれど、
- 自分は、どの悩みに一番引っかかっているのか
- 何が一番モヤモヤの正体なのか
を言葉にするだけで、
次に考えるべきテーマが見えてきます。
まとめ
中高年の技術系社員の悩みは、
決して「個人の弱さ」ではありません。
多くの場合、
キャリアの節目に差しかかっているサイン
です。
もし今、
「いくつも当てはまって、少し苦しくなった」
と感じたなら──
それは、立ち止まって考えるタイミングが来ている
ということなのかもしれません。
👉 次の記事
キャリアアンカー別よくある悩み ― 悩みがあるのは大切にしたいものを持っている証拠
― なぜ同じ悩みでも、人によって苦しさが違うのかを整理します
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技術者のキャリア相談では、
「悩みが漠然としていて、うまく説明できない」
という状態から始まることがほとんどです。
当相談室では、
このような“よくある悩み”を起点にしながら、
今のあなたにとって何が一番のテーマなのかを
一緒に整理していきます。
もし今、
この10項目の中に強く引っかかるものがあれば、
それを言葉にするところから始めてみてください。
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